語学学習 · 読了7分
学習中の言語で本を読む方法
本物の本を読むことは、言語を「勉強したもの」から「使えるもの」へ移す、最も速い方法のひとつです。 同時に、多くの学習者がやめてしまう場所でもあります。 たいていは最初の30ページで、 たいていは実力とは関係のない理由で。
簡単すぎる本を選ぶ
いちばんよくある失敗は、母語でも読みたいと思う本から始めることです。 足りないのは意欲ではなく、体力です。 1文につき4回も調べる本は、いずれ投げ出されます。 投げ出された本は、何も教えてくれません。
目安はこうです。助けなしで1ページの大意がつかめ、知らない単語が5個から10個ほどなら、 そのレベルが適切です。最初の数ページは、拍子抜けするほど簡単に感じます。 それでも、その選び方は正しいのです。
最初に向いている本:
- すでに読んだことのある本。 母語で読んだ本なら筋がわかっているので、注意を単語に向けられます。
- ヤングアダルト小説。 現代的な語彙、素直な文、そしてきちんと先が気になる展開。
- 短編集。 20分ごとに1編を読み終えられる達成感が、続ける力になります。
- 学習中の言語への翻訳書。 その言語で書かれた文学作品より、平易な文章であることが多いためです。
最初に避けたいのは、古い語彙の古典、詩、方言の多い作品、 そして専門用語の詰まったノンフィクションです。
すべての単語を調べない
本を読み切る人と、第1章を何度も読み直す人を分けるのは、この節度です。 知らない単語のたびに止まると、読書は解読作業になります。 文の流れを見失い、それとともに、 明日また本を開きたくなる楽しさも失われます。
使える目安:
- 調べる。 その語がないと文が成り立たないとき、あるいは3回か4回見かけて、そのたびに意味を持っているとき。
- 飛ばす。 その語がなくても文の意味が通るとき、あるいは明らかに背景にすぎないとき。花や家具、生地の固有名などです。
知る価値のある単語は、何度も出てきます。重要な語なら、本がまた見せてくれます。 定義が本当に身につくのは2回目か3回目の出会いです。 そのときには、結びつける文脈が手元にあるからです。
文脈は辞書に勝る
辞書はその語のすべての語義を並べて見せ、選ぶ仕事はこちらに任せます。 学習中の人にとって難しいのは、まさにそこです。 英語の set には何十もの意味があります。ドイツ語の ziehen は前つづりで意味がまるごと変わります。同じフランス語の動詞が、 人について言うときと天気について言うときで別の意味になることもあります。
本当に知りたいのは、 この文での意味です。 ここは、言語モデルが辞書より得意な唯一の点です。 前後の文を読み、語義の一覧を差し出す代わりに、 いまどの意味が使われているのかを教えてくれます。
問いは「この単語はどういう意味になりうるか」ではありません。 「ここではどういう意味か」です。
自然に感じるより長く読む
読解には、準備運動の時間がかかります。どの回でも最初の1、2ページは、 著者の語彙とリズムに戻るまで進みが遅く、そのあとは楽になります。 10分の読書を6回すれば、その代金を6回払うことになります。 1時間まとめて読めば、払うのは1回です。
読書の時間が通勤や待ち時間に細切れになるなら、短編や章の細かい本を選んでください。 細切れのひとつひとつが、それ自体で完結します。
わからないままにしておく
すべての文を理解する必要はありません。読み続けられるだけ理解できていれば十分です。 母語で流暢に読む人も、絶えず飛ばし読みをし、推測し、読み違えています。 ただ、それに気づいていないだけです。
段落を完全には理解しなくてよいと自分に許すことは、実質的に、 その本を読み終えてよいと許すことです。そして1冊読み切ることは、 1年分の練習問題より深く、その言語との関係を変えます。
第1章を読み返す
最後まで読んだら、第1章に戻ってください。目に見えて簡単になっているはずです。 300ページのあいだに著者の語彙が自分のものになっていて、それを実感できます。 語学学習でいちばん励みになる20分ですが、 実行する人はほとんどいません。
実践的な進め方
- 必要だと思うレベルより、少し下の本を選ぶ。
- 文脈に沿った意味をワンタップで返してくれるもので読む。調べものが1分ではなく1秒で済むように。
- 文の意味を止める語だけを調べる。
- 1日のなかで取れる、いちばん長いまとまりで読む。
- 読み切る。そして冒頭を読み返す。
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